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周術期の血糖管理【糖尿病患者の外科手術】

外科的侵襲が加わると交感神経が賦活し、下垂体から副腎皮質刺激ホルモン成長ホルモン、副腎からコルチゾールカテコラミン等が分泌され血糖を上昇させ、インスリン抵抗性を増大させる。

高血糖は、

  • 免疫能の低下+細菌のエサとなるブドウ糖が増える → 感染症のリスクが上がる…→いわゆるSSI(Surgical site infection, 手術部位感染)
  • 浸透圧性利尿により循環血漿量が低下 → 血がめぐらないのでショックへ至るリスク
  • 高血糖のため血漿の浸透圧が上がる → 脳から水が血漿内に移行し神経細胞の脱水 → 高浸透圧性の昏睡

のような危険があります。

そのため、

  1. 手術前
  2. 手術中
  3. 手術後

の厳格な血糖コントロールが必要になります。

厳格な血糖コントロールを達成するため、インスリンが使用されます。

2. 手術中の輸液はGlu(グルコース)を含むものはMal(マルトース)やSor(ソルビトール)を含むものに変更されます。

→ MalやFru(フルクトース)はインスリン無しで直ぐ細胞内に取り込まれ高血糖を起こしにくい(Sorはまず肝でFruへ代謝された後に細胞内へ移行。)。

例:ソルデム3A(4.3% Glu) → アクチット(5% Mal)

そもそも手術で高血糖になるのに糖は必要か? → タンパク異化、糖新生を防ぐため糖は必要。

3. 手術後は、SSI(手術部位感染)のリスクを抑えるため、感染が起こらないと判断されるまで(CRP陰性化や創部の水腫・熱感の消失、熱発の消失など)は厳格な血糖コントロール必要。

また、手術前に絶食の場合は、低血糖にも注意しなければいけません。

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