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薬剤師向け:胆道閉塞・胆道疾患と禁忌薬について解説

検査値

胆道閉塞・胆道疾患について

胆道閉塞は、胆石や腫瘍などが胆管を閉塞することによって生じることがあります。

胆石の保有率ははっきりしたデータは見つけられませんでしたが、一般的には5~10%と言われており意外と多いと感じられます。

医薬品の中には、胆汁排泄型のものや、胆石形成を引き起こすものがあり、この観点は重要です。

そのため、患者さんより「胆石があって手術予定」、「胆のう炎がある」、「胆管膵の腫瘍がある」、「黄疸がみられる」等を聴取した場合、胆道閉塞・胆道疾患の禁忌薬がないかを確認する必要があります。

胆道閉塞と検査値の関連

下記のような検査値が上昇することがあります

  • ビリルビン(基準値の目安0.4~1.5 mg/dL)直接ビリルビンは胆汁から排泄されるため、胆道閉塞により排泄が阻害されて上昇します
  • ALP(基準値の目安38~113 U/L(IFCC法))胆道系酵素でありγ-GTPとともに上昇することが多いようです
  • γ-GTP(基準値の目安/男性13~64/女性9~32 U/L)胆道系酵素でありALPとともに上昇することが多いようです

胆道閉塞・胆道疾患では禁忌の医薬品

  • クエストラン(コレスチラミン)…完全な胆道の閉塞は禁忌・胆道酸吸着作用のため無効
  • クロフィブラート…胆石又はその既往は禁忌・胆石形成能が上昇するおそれがあるため
  • コレバイン(コレスチミド)…胆道の完全閉塞は禁忌・胆道酸吸着作用のため無効
  • チノ(ケノデオキシコール酸)…重篤な胆道・膵障害は禁忌・症状が悪化するおそれがあるため
  • トライコア/リピディル(フェノフィブラート)…胆のう疾患のある患者は禁忌・胆石形成が報告されているため
  • パルモディア(ペマフィブラート)…胆道閉塞・胆石は禁忌・胆石形成のため
  • ミカルディス(テルミサルタン)…胆汁の分泌が極めて悪い患者は禁忌・胆汁排泄のため
  • リバロ(ピタバスタチン)…胆道閉塞は禁忌・血中濃度上昇のため
  • リファジン(リファンピシン)…胆道閉塞は禁忌・症状が悪化するおそれがあるため

ウルソ(ウルソデオキシコール酸)は、胆石の治療に用いられますが、完全な胆道閉塞は禁忌(利胆作用のため)と添付文書に記載があります

PMDA添付文書検索より調査していますが、すべてを網羅できていない可能性があります(各添付文書から引用・改変)。

まとめ

  1. 主訴や検査値から、胆道閉塞・胆道系の疾患がないか確認する
  2. 胆道閉塞・胆道系の疾患で禁忌の医薬品がないかチェックする
  3. 必要に応じて、医師に疑義照会する

ここでは、その他の胆汁排泄型の薬剤や副作用(黄疸など)に関しては触れていません。禁忌に記載がなくとも、その点は注意してください。

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免責事項

すべての医薬品を網羅できていない可能性がありますので、最新の添付文書をご自身で確認ください。

患者個別で対応は異なりますので、医師や薬剤師が最終的な判断を行ってください

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