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薬剤師がすぐに使える!腎機能検査値の見方

検査値

腎機能の検査値の見方

結論から入ります。

  1. 採血データのCRE(血清クレアチニン値)を見てください。
    基準値:男性1.2mg/dL以下、女性1.0mg/dL以下
  2. 下記の式、クレアチニンクリアランス・リアルタイム早見表等でクレアチニンクリアランス(Ccr)を算出してください(成人のみ)。
    基準値:正常な腎機能はおおよそCcr 100 mL/minとお考えください。
    Cockcroft-Gault式 : Ccr={(140-年齢)×体重/(72×血清クレアチニン値)}×0.85(女性の場合)
    Cockcroft-Gault式
  3. 添付文書等でCcrに応じた投与量を確認します。
  4. 医師に問い合わせ、腎機能低下から減量を提案します。

クレアチニンクリアランス・リアルタイム早見表

クレアチニンクリアランス・リアルタイム早見表
クレアチニンのスライダーを合わせ、性別を選択するだけで、簡単にクレアチニンクリアランスが参照できます。黄、橙、朱のカラーは軽度から高度な腎機能低下を示します。

これまで、計算には電卓・計算ツールを用いるため、数値を入力する手間がありました。

このリアルタイムで変化する表は、クリック・タッチ操作のみで、クレアチニンクリアランスを推定できます

実例

仮想の症例

女性、75歳、50kg、CRE 1.3 mg/dL

処方薬:ロキソニン60mg 3錠分3、ムコスタ 3錠分3、ガスター10mg 2錠分2、ザイザル5mg 1錠分1

主訴「腰痛があって痛み止めを服用している。よく胃が気持ち悪くなるから胃薬を服用している。蕁麻疹は昔でて、今は症状が無くなっている。時々ふらつくことがある。」

対応例

Ccrを計算します。Ccr={(140-75)×50/(72×1.3)}×0.85=(3250/93.6)×0.85≒29.5

一般的にロキソニンなどのNSAIDsは、腎機能による投与量調節は不要ですが、重篤な腎障害には禁忌です

腎障害患者はプロスタグランジン(PG)で代償的に腎血流を維持しています。そこで、NSAIDsを投与すると、PGによる腎血流が抑制されて急性腎障害を起こすリスクがあります。

重篤な腎障害がある場合、NSAIDsではない、カロナールに変更します

・ガスターの添付文書を確認します。

ガスター添付文書より引用

ガスターは腎機能に応じた投与量調整が必要です。

Ccr≒29.5のため、ガスター10mg 1錠分1に減量が必要です。

・ザイザルの添付文書を確認します。

ザイザル添付文書より引用

ザイザルは腎機能に応じた投与量調整が必要です。

Ccr≒29.5のため、ザイザル2.5mg 週に2回に減量が必要です。

蕁麻疹が消失しているため、ザイザルの中止を提案するのも選択肢です。

主訴のふらつきは、ガスターやザイザルの過量投与が原因だった可能性が考えられます

  1. ロキソニンをカロナールに変更
  2. ガスターを10mg 1錠分1に減量
  3. ザイザルを2.5mg 週に2回に減量もしくは中止

以上を医師に提案します。

注意点

クレアチニンは筋肉から生成されます。そのため、筋肉量が著しく低下している患者では、クレアチニンが見かけ上、低下することがあります。0.6未満の場合に0.6と補正するなどの対処方法がありますが、正確性には賛否両論があります(参考:筋肉量が減少時の腎機能評価/クレアチニンの問題点とシスタチンCによるeGFR推定)。

Cockcroft-Gault式はヤッフェ法で測定されたクレアチニンを用いている場合があり、日本の酵素法で測定されたクレアチニン値に+0.2する必要があるとの意見があります。ただしこれも、賛否両論があります。

結論として、Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランスによる腎機能の把握は、あくまで推測です。上記の補正もまた真ではないということです。そのため、患者背景や症状に応じて、腎機能評価は包括的に考えることが重要です

脱水の判別eGFRとCcrの違いも重要ですので、下記の記事も参考ください。

薬剤師向け:BUN/Cre比の基準値と脱水の判別について解説

薬剤師向け:eGFRとCcrの違いについて

免責事項

必ず医師や薬剤師の判断が必要です。

最終的な判断は医療関係者の責任の元で行ってください

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