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ループ/チアジド系利尿薬による尿酸値上昇のメカニズム

利尿薬と尿酸値の関係 作用機序

ループ利尿薬およびチアジド系利尿薬が血清尿酸値を上昇させるメカニズムについて考えてみます。

  1. Na+,Clの再吸収抑制(=H2Oの再吸収抑制)の代償機能として近位尿細管での尿酸の再吸収が促進(循環血流量減少に伴う尿酸再吸収の促進。)。
  2. 腎糸球体濾過量の減少に伴う尿酸排泄の低下。
  3. 尿細管における尿酸分泌の阻害。

参考文献:フルイトランおよびラシックスのインタビューフォーム

1.の考察:

強力な利尿作用のため脱水になる。体内に水を戻そうと水を再吸収した際に水に溶けている尿酸も再吸収されてしまうのだろう。

2.の考察:

記載通り。体内の水が減っているから腎臓を通る水の量が減って尿酸が排泄されにくくなる。

3.の考察:

尿酸・ループ利尿薬・チアジド系利尿薬は全て有機酸。

有機酸は有機アニオントランスポーターを介して尿細管へと分泌される。そのためループ/チアジド系利尿薬によって競合的に尿酸の分泌が阻害されるのだろう。

また、最近の研究でこのトランスポーターはNPT4(Sodium Phosphate Transporter 4)であることが示されている。

さらに、in vitro(試験管内)でループ/チアジド系利尿薬がNPT4を介した尿酸分泌を直接阻害することが示されている。

参考文献:J Biol Chem. 2010 Nov 5; 285(45): 35123–35132.

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