好中球数の計算(%から個/μL)
基準値・臨床的意義
Grade 1 | Grade 2 | Grade 3 | Grade 4 | |
好中球減少 | <LLN-1,500/mm3 | <1,500-1,000/mm3 | <1,000-500/mm3 | <500/mm3 |
好中球は、主に抗がん剤による骨髄抑制の程度を把握するために用います。
抗がん剤では、好中球減少は程度の差はあれど、ほぼ必ず出現します。
臨床では下記の目的で使用されることが多いです。
好中球が低い時は?
- 抗がん剤の投与に伴う発熱性好中球減少症(FN)の判断
- 抗がん剤の投与開始基準を満たしているかの判断
1.を解説します
37.5℃以上の発熱に加えて、
Grade 4の好中球減少が認められた時点でFNと判断されます。または、
Grade 3の好中球減少であっても48時間以内にGrade 4へ移行するおそれがあればFNと判断されます。
すぐに適切な処置をしないと致命的になりうる。受診勧奨。
2.を解説します
一般的に、好中球減少がGrade 1まで回復することが投与可能開始基準となります(例:ゼローダ、エスワン)。ただし、抗がん剤の種類や適応症等により異なりますので適正使用ガイドの確認が必須です。Grade 2以上の好中球減少で抗がん剤が処方されれば疑義照会を検討。
また、好中球減少が生じると、感染症が起こりやすくなるため、手洗い・うがい・マスクなどの基本的な感染症対策を指導することも重要です。
なお、抗がん剤(特に点滴の場合(例:ZELOX等))による好中球減少のピークは7~14日後に起こることが多いです。
薬局での実例
- 処方箋にゼローダが記載され、検査値にはWBC 3 ×103/μL、Neut 45 %と記載あり。
- 好中球数 = 3000(白血球数)× 45 %/100 % = 1350 個/μL
- CTCAE Grade 2の好中球減少のため、疑義照会し、Grade 1に回復するまで休薬を提案
まとめ
- 好中球数は、抗がん剤の投与に伴う発熱性好中球減少症(FN)の判断に用いる
- 好中球数は、抗がん剤の投与開始基準を満たしているかの判断に用いる
- 好中球減少時は、適切な感染予防や受診の目安指導や、抗がん剤の処方の妥当性を考える
*患者個別で対応は異なります。医師や薬剤師など専門家の判断が必要です。
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