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薬剤師向け:WBC(白血球)の基準値と抗がん剤について解説

検査値

基準値・臨床的意義

目安の基準値 3300-8600/μL

Grade 1Grade 2Grade 3Grade 4
白血球減少<LLN-3,000/mm3<3,000-2,000/mm3<2,000-1,000/mm3<1,000/mm3
CTCAE v5.0 – JCOGより引用、改変 JCOGホームページ http://www.jcog.jp/

白血球は、感染症などの炎症が原因で上昇することが多いです。


また、抗がん剤による骨髄抑制の程度を把握するためにも用いられます。


処方箋に記載された場合、主に抗悪性腫瘍薬が投与基準を満たすかどうかの確認に用いられることが多いでしょう。

ただし、抗がん剤の場合、白血球数よりも好中球数の方が重要と考えます(詳細は好中球数のリンクをクリック)。

抗がん剤処方に対する薬局での対応例

一般的に、白血球減少がGrade 1まで回復することが投与可能開始基準となります(例:エスワン)。

ただし、抗がん剤や適応症等により異なりますので適正使用ガイドの確認が必須です。

Grade 2以上の白血球減少で抗がん剤が処方されれば疑義照会を検討。

また、好中球減少が生じると、感染症が起こりやすくなるため、手洗い・うがい・マスクなどの基本的な感染症対策を指導することも重要です。

炎症マーカーとして

CRPとWBCは併用して、炎症反応の把握によく用いられます。

例えば、感染症の疑いがある場合は、先に培養(結果がでるのに時間がかかる)をとりつつ、グラム染色(すぐに結果がでる)を確認し、経験的に抗生物質を投与(いわゆるエンピリック治療)します。

その効果を確認するために炎症反応をフォローします。これには、CRPとWBCだけでなく、発熱や他の随伴症状(膀胱炎なら尿の濁りなど)も確認します。

炎症反応が低下している場合、現在の治療を継続するか、広いスペクトルの抗菌薬を投与していた場合には、細菌薬剤感受性検査の結果よりスペクトルの狭い治療法に切り替える(いわゆる標的治療、デエスカレーションともいう)ことが検討されます。

一方、炎症反応が低下しない場合、細菌薬剤感受性検査を確認し、抗生物質の量を調整したり、別の抗生物質に変更することが検討されます。ただし、調剤薬局ではこれらの詳細な処方箋の変更を行うことは一般的には難しいでしょう。

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免責事項

*患者個別で対応は異なります。医師や薬剤師などの専門家の判断が必要です。

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