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薬剤師向け:HbA1cが低値の時の考え方

検査値

基準値・臨床的意義

HbA1cは、おおよそ1~2か月前の平均血糖値を反映します

なお、HbA1cが6.5%以上、かつ、空腹時血糖値126 mg/dL以上または随時血糖値200 mg/dL以上で、糖尿病である可能性があります(糖尿病 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

HbA1cは、患者個別で設定されているため、必ず患者さんより目標値を確認します

本記事は、HbA1cが低値の時の対応を考えます

HbA1cが6.0%未満では低血糖が起こるリスク1)があります。


ただこれは、年齢や食事の状況などの患者背景で変わると思います。HbA1cが7.0%未満で低血糖を起こしている場合もあると思います


糖尿病治療薬のうち、DPP-4阻害薬やメトホルミン等は腎機能によって減量が必要な場合があり注意が必要です(→腎機能と投与量の自動計算ツール


ここは、薬物動態のスペシャリストである薬剤師の本領を発揮できるところだと考えます💡

DPP-4阻害薬の単独では低血糖は起こらないんじゃないかというご指摘がよくあります


当然のことですが、食事摂取不良のみでも低血糖を起こすことがあるため、食事摂取不良や腎機能低下などのリスクが重なると起こりえると考えます


また、血糖降下薬を併用している場合も、薬力学的相互作用によって、DPP-4阻害薬の過量投与(腎機能低下による)は低血糖を起こしえると考えます

薬局での対応例(仮想の症例)

年齢80歳、40kg、クレアチニン0.9 mg/dL、女性の場合、

CCr ≒ 31.5 mL/minとなります(→腎機能と投与量の自動計算ツール

ジャヌビア50mgを服用されていて、

HbA1c 5.8%だと、どうでしょうか?

血糖コントロールとても良いと考えるでしょうか?

(患者背景や、併用薬などにもよりますが、、、)

私は、食事状況や低血糖がないかを確認したほうが良いと考えます

例えば、食事をとらないことが増えてきた・冷や汗やふらつきが起こることがあると、仰っていれば、

それは、低血糖の兆候かもしれません

ジャヌビアの添付文書をみてください

ジャヌビア添付文書より引用

添付文書をみますと、Ccr 30 mL/minで、ちょうど投与量が区切られています

そのため、50mgは多すぎるのではないか? 25mgに減量したほうがよいのでは?

と私は考えます(患者背景や、食事状況、併用薬などにもよりますが、、、

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参考文献

Lipska KJ, Warton EM, Huang ES, Moffet HH, Inzucchi SE, Krumholz HM, Karter AJ. HbA1c and risk of severe hypoglycemia in type 2 diabetes: the Diabetes and Aging Study. Diabetes Care. 2013 Nov;36(11):3535-42. doi: 10.2337/dc13-0610. Epub 2013 Jul 30. PMID: 23900589; PMCID: PMC3816866.

*患者個別で対応は異なります。医師や薬剤師の判断が必要です。

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