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薬剤師向け:アルブミンの基準値とエネルギー計算の解説

検査値

基準値・臨床的意義

目安の基準値 4.0 g/dL、3.5 g/dL以下で低栄養

Grade 1Grade 2Grade 3Grade 4
低アルブミン血症<LLN-3 g/dL<3-2 g/dL<2 g/dL生命を脅かす; 緊急
処置を要する
CTCAE v5.0 – JCOGより引用、改変 JCOGホームページ http://www.jcog.jp/

アルブミンは栄養状態の指標となるだけではなく、補正カルシウム値の計算や、Child-Pugh 分類にも用いられています。

適切な栄養補給は、組織の形成・免疫の維持などに重要です。


そのため、Alb 3~3.5 g/dL以下の低栄養が確認された場合は、患者さんとご相談の上で栄養剤の提案を検討すると良いと思います。

ただし、飢餓状態にある方はリフィーディング症候群が生じる可能性がありますので、例えば必要エネルギー量の半分から開始するなど慎重に行う必要があります。

必要エネルギー量について

算出にはHarris-Benedictの式(→計算サイトはこちら)で行うことが一般的だと思います。

一方、簡易式としては理想体重(kg)× 25 ~ 30 kcalを用いる方法があります(理想体重は「身長(m)× 身長(m)× 22で算出します)。


また、厚生労働省の公表している日本人の食事摂取基準(2020 年版)を利用するのも簡便です。

出典:「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

筆者の考える、薬局での活用例

体重45kg、身長165cm、年齢75歳、男性の場合(仮想の症例です)

簡易式

理想体重 = 1.65×1.65×22≒60kg

必要エネルギー量=60kg×25~30 kcal=1500~1800 kcal/日

Harris-Benedictの式を用いる方法

必要エネルギー量の計算サイトを利用します

患者さんが仕事をされている場合(ストレス係数は1とします)

患者さんが仕事をされていない(リタイア)・かつ寝たきりでない(本人が来局)場合(ストレス係数は1とします)

おおよそ、簡便な方法と合致していますね💡

Harris-Benedictの式を用いると、患者さんの生活や病態に合わせて計算できるのがメリットと考えます

例えば、患者さんが仕事をリタイアされている場合は、まずは1200 kcal/日程度から開始し、最大1500 kcal/日程度となります(簡便な方法の1500~1800 kcal/日より低い値ですね💡)。

経口摂取可能な場合:
エンシュア・Hは1缶で375 kcal含まれますから、1日3回で1125 kcal/日と、ほぼ上記を満たすことになります。実際には経口摂取可能なので1日3回摂取する必要はないですが、例えば、食欲不振などで食事を取ることができない時には、屯用のエンシュア・Hを1缶摂取すれば、食事1回分のエネルギーを補給できることになります(あくまで一例です)。

完全経腸栄養の場合:
ラコールNF配合経腸用半固形剤1缶で300 kcal含まれますから、1日4本を分3(例えば1 – 1 – 2)で1200 kcal/日を満たすことになります(あくまで一例です)。

まとめ

薬局でも、Alb ≦ 3.5 g/dLで、体重や筋力が低下している患者さんがみられた場合、
ぜひ、必要エネルギー量を計算し、不足していれば患者さんと相談しつつ栄養剤を医師に提案するなど活用してみてください。

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参考資料

推定エネルギー必要量=基礎代謝基準値(kcal/kg 体重/日)×参照体重(kg)×身体活動レベル「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省)より引用)
上記の式で算出されているようです。以下に参考資料を載せます。

出典:「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

免責事項


*必要エネルギー量の算出方法については、賛否両論があります。

*患者個別で対応は異なります。必ず医師や薬剤師など専門家の判断が必要です。

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